希望をつくる生活の根拠地としての住居

2012.01.07

震災はさらに大きな教訓をもたらした。被災者のための仮設住宅は、神戸市の場合ほとんど遠隔地に建てられた。神戸の奥座敷といわれる有馬温泉のさらに奥に2300余戸、都心まで片道2時間、1000円近くかかる。市の西北端に7100余戸、ポートアイランド・六甲アイランドの2つの人工島に3100余戸など。被災者は、家をなくし、肉親を失い、大きなショックをうけている。そういうときに必要なのは、これまで一緒に暮らし、助け合い、励ましあってきた隣人である。

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仮設住宅への入居は抽選で、住んでいる場所とは関係なく、お年寄りから順にばらばらに入居させられた。それが、高齢者にとって暮らしにくい環境となった。96年7月、ポートアイランドの仮設住宅に住むひとり暮らしのKさんは、400万円の貯金をのこし、栄養失調で亡くなった。4〜5万円の年金のなかから食費をきりつめてわずかの金を蓄え、まともな家にもどってからの生活設計に備えようとしていたとみられている。人は希望がなければ生きられない。いま苦しくても未来に希望があれば生きられる。だが、仮設住宅の居住者にとっては希望が見えないのである。